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NYSEと東証は何が違う?日本企業が知っておくべき米国市場の常識

「東証プライムに上場しているのだから、NYSE(ニューヨーク証券取引所)もそれほど変わらないだろう」——米国上場の検討を始めた日本企業が、最初に抱きがちな誤解です。同じ「証券取引所」でも、東証とNYSEでは前提となるルールも実務も大きく異なります。

NYSEと東証プライムの主な違い

項目NYSE東証プライム
監督官庁SEC(米国証券取引委員会)金融庁
会計基準US-GAAPまたはIFRS日本基準、IFRS、US-GAAP等
監査基準PCAOB基準監査基準委員会報告書
主な開示書類Form 20-F(年次)、Form 6-K(随時)有価証券報告書、四半期報告書、適時開示
開示言語英語日本語
内部統制監査SOX法404条J-SOX
取締役会構成独立取締役中心、委員会型が主流監査役会設置会社・監査等委員会設置会社が多数
訴訟リスク証券集団訴訟のリスク大相対的に小さい

開示の言語・基準・頻度

まず開示です。NYSE上場企業はSECへの登録が必要で、年次報告書(Form 20-F)をはじめとする英文開示が義務付けられます。財務諸表はUS-GAAPまたはIFRSに基づく必要があり、日本基準のままでは通用しません。また、重要事象が発生した際のForm 6-K提出など、開示のスピード感も東証とは異なる規律が求められます。

監査はPCAOB基準

監査も別物です。NYSE上場企業の監査は、PCAOBに登録された監査事務所が、PCAOB基準に準拠して実施する必要があります。日本の金商法監査とは監査手続も文書化の水準も異なり、監査対応の負荷は確実に増します。日本の監査法人の中でもPCAOB登録を持ち、日系企業のNYSE案件に対応できるファームは限られており、監査人選定は上場準備の初期に決着させておくべき論点です。

訴訟リスクとガバナンス

米国は証券訴訟が多い国です。開示に誤りがあれば集団訴訟のリスクに直面し得るため、開示統制(Disclosure Controls)の構築が実務上極めて重要になります。また、独立取締役を中心とする委員会型のガバナンスが前提とされている点も、監査役会設置会社が多い日本企業には馴染みの薄い部分です。

「東証の延長」ではなく「別の競技」

つまりNYSE上場は、東証上場の延長ではなく、ルールの異なる別の競技に参加するようなものです。だからこそ、両方のルールを知る伴走者の存在が結果を左右します。SMASH & Partnersは、日本基準・国際基準の双方に精通した公認会計士が、日本企業の目線で米国市場のルールを翻訳しながら伴走します。同じ監査法人の監査でも、米国と日本では厳格さや緻密さが異なり、日本での上場イメージのまま米国上場の監査対応をしたところ、全く歯が立たなかったという話も少なくありません。まずはお気軽にお問い合わせください。

お問合せ先:smash-partners@smash-international.com

執筆者:森 大輔(公認会計士・公認不正検査士)

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