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 監査役になったら最初に何をする?年間監査計画の作り方

監査役になったら、まず年間の動きを整理する

監査役や監査等委員に就任すると、会社法上の責任や監査報告について説明を受けても、日々の実務として「毎月何を確認するのか」「どの会議に出るのか」「どの部署へ往査するのか」まで具体化できていないことがあります。

監査役監査は、期末に監査報告書を作成するだけの仕事ではありません。1年間を通じて取締役の職務執行、内部統制、重要な意思決定、会計・財務報告の状況を継続的に確認し、その積み上げとして監査意見を形成します。そのため、年度の初めに監査方針と監査計画を作ることが重要です。

前年踏襲ではなく「今年のリスク」から計画を作る

監査計画を前年の予定表からコピーすると、形式的な監査になりやすくなります。新規事業、M&A、海外進出、資金調達、上場準備、基幹システム更改、経営陣交代、不正・コンプライアンス事案など、その年度に会社のリスクがどこで高まるかを把握し、重点監査項目を決めます。

例えば海外子会社を買収した年度であれば、買収後のガバナンスや権限、財務報告、内部統制を重点テーマにできます。上場準備会社であれば、取締役会の実効性、関連当事者取引、内部監査、内部通報、会計監査人との連携などが重要になります。

監査役監査の年間スケジュール例

時期主な活動確認テーマ成果物・証跡
期初監査方針・計画の策定経営計画、重点リスク、監査範囲年間監査計画、重点項目
毎月・四半期取締役会出席、重要書類閲覧、面談業績、投資、契約、コンプライアンス会議メモ、閲覧記録
期中拠点・部門往査、内部監査連携業務執行、内部統制、重点テーマ往査調書、指摘・フォロー
四半期・期末会計監査人との連携監査計画、会計論点、不正リスク協議記録、監査報告

定例業務と重点テーマを分けて考える

年間を通じて継続的に行う定例業務には、取締役会等への出席、稟議・重要契約・月次業績の閲覧、代表取締役・取締役との面談、内部監査部門からの報告、会計監査人とのコミュニケーションなどがあります。

これに加えて、重点テーマ監査として拠点往査、部門ヒアリング、海外子会社監査、M&A後の統合状況、情報セキュリティ、人事労務などを設定します。定例活動だけで予定を埋めず、その年度の重要リスクへ時間を配分するのがポイントです。

内部監査・会計監査人との連携を活かす

監査役、内部監査、会計監査人は立場と目的が異なりますが、互いの監査結果を共有することで監査の実効性を高められます。いわゆる三様監査では、単に四半期ごとに報告を聞くだけでなく、今年の重点リスク、発見事項、経営者への改善要請、フォローアップ状況を共有することが有効です。

例えば、内部監査で売上計上プロセスに問題が見つかれば、監査役は取締役の対応状況を確認し、会計監査人は財務諸表への影響を検討できます。情報をつなぐことで、個別の監査が会社全体のガバナンス改善につながります。

監査の記録を残し、判断の根拠を明確にする

監査役監査でも、「何を確認し、どのような説明を受け、どう判断したか」を記録することが重要です。面談メモ、往査記録、重要書類の確認結果、会計監査人との協議記録、指摘事項とフォローアップなどを整理しておくことで、監査報告の根拠が明確になります。

日本監査役協会は監査役監査基準や新任ガイド、各種ひな型などを提供しており、実務設計の参考になります。ただし、ひな型を埋めることが目的ではなく、自社のリスクに応じて監査活動を設計することが重要です。

参考:日本監査役協会「監査役監査基準」「新任監査役等のためのガイド

監査役監査は、ひな型を埋めることではなく、自社の重要リスクに合わせて「今年どこを見るか」を決め、継続的に確認することが重要です。SMASH & Partnersでは、監査役監査・監査等委員監査の年間計画、往査、内部監査・会計監査人との連携、監査記録・報告書作成まで支援しています。新任監査役の立ち上がりや上場準備に伴う監査体制の整備にお悩みの企業様は、お気軽にご相談ください。

執筆者:森 大輔(公認会計士・公認不正検査士)

お問合せ先:smash-partners@smash-international.com

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