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ADRでナスダック上場するメリットとは?直接上場との比較で見えてくること

外国企業(FPI)が米国市場(ナスダック – Nasdaq)を目指す際、普通株式をそのまま上場する「直接上場」と、預託証券を介する「ADR上場」の二択があります。SKハイニックスのように、すでに母国市場(韓国取引所)に上場している企業が、追加でナスダックに進出する場合、実務上はADRが選ばれるケースが少なくありません。今回は、ADR上場が持つメリットを整理します。

会計基準・監査体制を大きく変えずに済む(Level Iの場合)

ADRは原株を裏付けとする証券であるため、前回コラムで説明したLevel Iの場合、発行体は自国基準の財務諸表をベースに、必要に応じてForm 20-F等でUS-GAAPとの差異情報を開示すれば足り、いきなり全面的な米国基準への移行を強いられるわけではありません。なお、IFRSを採用している企業は差異調整は不要になります。

母国上場を維持したまま、米国投資家へ接点を広げられる

ダブルリスティングにより、株主基盤を分散し、米国の機関投資家や指数採用によるパッシブ資金の取り込みを狙えます。母国での経営の連続性を保ちながら、資金調達チャネルを広げられる点は大きな利点です。

株主管理の実務負担が軽減される

預託銀行が名義株主・事務手続きの窓口となるため、発行体側の株主管理事務負担が軽減されます。配当金の外貨交換や税務処理なども、預託銀行が代行するのが一般的です。

一方で押さえておきたい注意点

ADR保有者は原株主と全く同じ権利を持つわけではなく、議決権行使に制約が生じる場合があること、預託銀行への手数料が発生すること、Level 2・3ではSEC開示義務が新たに発生することなど、注意すべき点も存在します。

ナスダック上場を検討する際は、直接上場とADR上場のどちらが自社の資金調達目的やガバナンス方針に合致するか、初期段階から専門家を交えて比較検討することをお勧めします。

SMASH & Partnersでは、ナスダック上場を検討し始めた段階から、ナスダック上場並びにIFRS/US-GAAPに精通した専門家がご相談を承っております。まずはお気軽にお問合せください。

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執筆者:森 大輔(公認会計士・公認不正検査士)

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