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Nasdaq上場基準の厳格化が日本企業に与える影響

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2026年04月08日 | Column

Nasdaq(ナスダック)市場に上場する日本企業は、米国証券法上「外国民間発行体(Foreign Private Issuer、以下FPI)」として分類されます。FPIには、コーポレートガバナンスの一部について母国ルールへの準拠が認められるなど、一定の開示・規制上の優遇措置が設けられています。しかし、上場・継続上場基準そのものはFPIにも等しく適用されるため、2026年に入り順次施行された今回の基準厳格化は、日本企業にとっても直接的な影響を持ちます。

新旧基準の比較表

表:Nasdaq新規上場・継続上場基準の主要な変更点(2026年施行)

上場を検討している企業への影響として最も大きいのは、最低Public Floatの引上げです。純利益基準での新規上場に求められる公開株時価総額がUS$500万からUS$1,500万へと引き上げられ、2026年1月17日より施行されています。さらに、この水準はIPOの調達額のみで充足しなければならない(既存株主が保有する流通株は不算入)ため、上場時に実際に調達する資金規模の計画を従来より保守的に設定し直す必要があります。特に昨今の円安局面においては、ドル建ての基準維持が日本円ベースでの調達負担を実質的に押し上げる要因となっており、事業計画とIPO規模の見直しは急務となっています。

すでに上場している企業にとっては、継続上場基準の厳格化が課題です。株価が10連続取引日にわたり$0.10以下で推移した場合、従来の180日猶予を経ずに即時上場廃止通知が発せられる新ルールが施行されました。時価総額が低迷する小型株では、為替変動や業績悪化が直接的な廃止リスクに直結します。日本企業の場合、株価・時価総額のモニタリングが手薄になりやすい傾向があり、実務的な監視体制の整備が重要です。

さらに、SECは2025年6月にFPI認定基準の見直しを検討する概念書(Concept Release)を公表しており、将来的にFPIの要件が厳格化されれば、現在享受している開示・ガバナンス上の優遇が縮小される可能性もあります。上場維持コストや開示負担の変化も念頭に置いておく必要があります。

弊社では、Nasdaq上場を検討する企業からの基準適合性の確認から、既上場企業の継続上場要件モニタリング、FPI対応を踏まえた財務諸表・開示書類の整備まで、幅広いご相談が寄せられています。日米会計・開示基準に精通したチームが、規制対応から実務サポートまでをワンストップで担います。特にNasdap上場を目指す中で最初に取り組むところが会計面での手当と米国監査法人の監査対応になりますが、弊社ではIFRS・米国基準並びに米国で適用される監査基準に知見と英語のスキルセットを持つ公認会計士が担当します。Nasdaq上場に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。

Author 代表 森 大輔(公認会計士・公認不正検査士)